キルギス乗馬前の必読マニュアル|注意点と安全ガイド【現地スタッフが徹底解説】

◆乗馬は危険を伴います。
◆アシュトラベルのツアーに参加する方や、ツアーじゃなくてもキルギスで乗馬を考えている方は、未経験者も経験者もぜひお読みください。
◆事故・怪我については弊社は一切の責任を負いかねます。各自で旅行保険に加入してください。
※弊社では乗馬前には誓約書にサインをいただいています。
サラマトスズブ!中央アジア絶景乗馬旅アシュトラベルのSugiです。
実は私、ドゥルルルがなかなかうまく言えません。ドゥルルルとは、キルギスの馬をなだめる巻き舌の言葉。たいていお客様のほうが上手です。
それでも諦めきれなくて、乗馬の回数をこなしてきました。
代表ヌリヤや現地のインストラクターに教わったこと、自分が乗りながら「これは知っておいてほしかった!」と思ったことを詰め込んだのがこのマニュアルです。
現場で学んだ知識を頭に入れておくだけで、安全性も楽しさも大きく変わります。
キルギス乗馬の魅力

「モンゴルの乗馬とキルギスって何が違うの?」よく聞かれます。一番の違いは山。場所によっては3,000mを超える山の中を馬で走ります。
柵もコースもありません。天山山脈の斜面を登りながらふと横を見ると、さっきまで見上げていた岩山が足元にある。そんな感覚は、キルギス乗馬ならでは。
詳しくは別記事でまとめているので、ぜひあわせて読んでください。
キルギス乗馬の心得4つ

①日本の乗馬とは別物
キルギスの乗馬は、日本の乗馬クラブとやり方が根本的に違います。
日本の乗馬はサラブレッドが基本で、決められたルールのもと柵の中で技術を学んでいきます。一方、キルギスの馬はモンゴルの馬よりは大きいですが、日本の馬より背が低く、乗る場所も柵のない山岳地帯。
私自身、日本の乗馬クラブに行ったことがありますが、馬の大きさも手綱の扱いも全然違い、別物だと感じました。
⚠️日本の乗馬に慣れている経験者ほど油断しがちです。まず「やり方が違う」という意識を持って、インストラクターの説明をゼロから聞いてください。
②高山で我慢しない
キルギスは国土の約94%が山岳地帯。高所で頭痛・めまい・息苦しさ・吐き気などを感じたら、すぐにガイドに伝えてください。我慢は禁物です。
③馬を信じて落ち着く
急な上り坂、下り坂、岩の多い道といった地形で生まれ育ったのがキルギスの馬。急な斜面でも足をしっかり踏みとどまってくれます。馬を信じて体の力を抜いて馬に乗りましょう。
⚠️ただし、「怖い」という気持ちは馬にすぐ伝わり、不安になった馬は予期せぬ動きをすることも。怖くなったら無理せずにガイドに伝えて、一旦止まりましょう。
④冬の馬は夏と違う
冬の間、キルギスの馬は長期間馬小屋にいることがほとんど。ツアーで急に呼び出された馬は興奮していたずらをすることがあります。
冬のツアーでは特に最初の乗馬時、馬の様子をよく観察してガイドの指示に従ってください。駆け足のツアーでも、ガイドが危険と判断したら中断することがあります。
キルギス乗馬前|持ち物・服装・体調

服装
- 上半身:長袖シャツやポロシャツ。フリースやウインドブレーカーも必ず。標高の高い場所へ行くときは、夏でも薄手のダウンジャケットを忘れずに。
- 下半身:動きやすい長ズボン。ゆるいズボン・スカートは避けてください。
- 靴:スニーカーか乗馬ブーツ。サンダル・ハイヒール・登山靴は落馬時にアブミに引っかかる危険があります。
- 手袋:薄手の革手袋か軍手。冬は二重にしたほうが暖かいですが、操作しにくいので薄手+厚手がおすすめ。
持ち物
- 水・パスポート・クレジットカード
- レインコートや防風アウター(必携)
- 日焼け止め・サングラス・ツバの広い帽子・リップクリーム
- ウエストポーチ推奨。ショルダーバッグは落下の危険があります。
- チャップスやヘルメットは無料貸し出しあり。
※暑いときは、上着を車に預けておけます。
キルギス乗馬前|注意点6つ

①馬の後ろに立たない
後方は馬の死角です。驚いて蹴飛ばすことがあります。
②必ず左側から乗降する
世界共通のルール。右側から乗ろうとすると馬が驚きます。
③合図があるまで乗らない・降りない
乗り降りは無防備な瞬間。インストラクターやガイドの指示に従い、自己判断で動かないでください。
④鐙の長さを調整してもらう
乗ったらすぐインストラクターに鐙の長さを調整してもらいましょう。
長さの目安:足が伸びすぎず、馬を止めるために後ろにのけぞったときに足を伸ばせる長さ。最初は少し短めが安全です。
⑤鐙に足を深く入れすぎない
落馬時に足が引っかかると命に関わります。土踏まずより手前で乗ってください。
⑥手綱の持ち方は指示に従う
手綱の持ち方は、馬場や馬によって異なることがあります。日本で習ったやり方と違っても、その場のインストラクターの指示を優先してください。
キルギス乗馬中|馬の基本操作方法

キルギスの馬はキルギス人の言葉で育っています。
進む:チュウ!
体重を少し前にかけながら「チュウ!」と声を出し、左右の足で馬の腹を軽く蹴ります。
ただし、馬によっては蹴りすぎると走り出します。最初は優しく様子を見ながら加減を探ってください。
止まる・なだめる:ドゥルルル〜
背筋を伸ばして体重を後ろにかけ、手綱を手前に引きながら、巻き舌で「ドゥルルル〜」と言います。
コツは巻き舌。私もなかなかうまく言えないのですが、ガイドのまねをしながら挑戦してみてください。
方向転換
向かいたい方向に重心を移動させながら、その方向の手綱をゆっくり引きます。力任せに引っ張らず、優しくはっきりと。
キルギス乗馬中|馬の気持ちを読む

馬の耳は感情のバロメーターです。
【危険度:低】 耳が左右に向いている:リラックスして周囲を観察しています。
【危険度:中】 耳がピンと前を向いている:前方に集中しています。
【危険度:大】 耳が寝て後ろを向いている:怒っている可能性大。無理にコントロールしようとせず、すぐスタッフに伝えてください。
キルギス乗馬中|注意点3つ

①勝手に駆け足をしない
駆け足はガイドとインストラクターが、馬の状態・乗り手との相性・地形を確認してから許可します。
ガイドが危険と判断したら駆け足中に中断を指示することがあります。すぐに従ってください。
また、勝手に駆け足をするとインストラクターが止めに来て、馬同士が喧嘩になることがあります。勝手な判断はしないでください。
②道で他の馬に近づかない
山道や村で別の馬と出会うことがあります。じゃれたり競争し始めることがあるので、見かけたら近づかずインストラクターの後ろについていきましょう。
③馬同士の距離を保つ
キルギス乗馬では、村の異なる場所から集めた馬に乗ることがあります。馬同士が初対面で相性が悪いこともしばしば。
前後の馬と常に1頭以上の間隔を保って乗馬してください。近づきすぎると馬同士が蹴り合うことがあります。
乗馬前に見ておいてほしい動画
アシュトラベル代表のヌリヤが、キルギス乗馬の注意点をわかりやすく解説しています。3,000人以上を案内してきたプロガイドの言葉です。マニュアルを読む前にぜひ。
落馬しないための3つのポイント

- 手綱を短く持つ(速く走るほど短く。ただし体は柔軟に)
- かかとに体重をかける(踵でどっしりすると姿勢が安定する)
- 股と足で馬体を挟む(下半身全体で馬をつかむイメージ)
万が一のために:安全な落馬の方法
まずは落馬しないようにすることが一番。そのうえで、やむを得ず落馬するときは、前のめりの横方向に。後ろへの落馬は蹴られる危険があります。柔道の受け身のように体を丸め、頭を守ってください。手綱は手放して構いません。
アブミに足が絡まったまま落馬することは絶対に避けてください。落馬前に足が抜けるか必ず確認を。
緊急時の対応

⚠️事故・怪我の費用は自己負担です。海外旅行保険に必ず加入し、受け取り方法を事前に確認してください。
落馬後は状況を確認します。軽傷なら乗馬続行、応急処置が必要な場合は車を手配、危険と判断した場合はビシュケクの病院へ搬送します。異変を感じたらすぐに知らせてください。
キルギス乗馬に関するよくある質問

Q. 乗馬未経験でも参加できますか?
A. 参加できます!ただし、ツアーによって参加可能なものとそうでないものがあります。各ツアーの募集ページに「乗馬初心者OK」「経験者対象」などの目安を記載していますので、必ず確認してからお申し込みください。
Q. 何回か乗ったことがある程度の初心者でも大丈夫ですか?
A. ツアーごとに異なります。アシュトラベルの相乗りツアーは、最初に申し込まれたお客様のレベルに合わせて参加者を募集しています。募集ページの対象レベルを確認してからお申し込みください。
Q. 日本の乗馬経験があれば有利ですか?
A. 経験があるに越したことはありません。ただし、キルギスの乗馬は日本の乗馬クラブとやり方が違います。「日本でやっているから大丈夫」と油断して、馬をうまくコントロールできないパターンも。経験者こそ、まず「やり方が違う」という意識を持って説明を聞いてください。
Q. 何歳から参加できますか?
A. 基本的に5歳から参加いただけます。ただし、小さなお子様は鐙に足が届かないことがあり、その場合は駆け足には参加できません。お子様連れの場合は事前にご相談ください。
Q. 雨や悪天候でも乗馬しますか?
A. キルギスは一日中ずっと雨が続くことはあまり多くありませんが、山の天気は変わりやすいです。小雨なら続行することもありますが、強い悪天候のときは一時中断して様子を見ます。安全第一です。念のため、レインコートや風雨を防げるアウターを必ず持参してください。
Q. 乗馬中に写真は撮れますか?
A. お客様ご自身でのスマホ・カメラ撮影はお控えください。ガイドやインストラクターにお声がけいただければ撮影します。
Insta360など体に装着して両手が空くタイプのカメラはご利用いただけますが、破損・紛失については責任を負いかねます。
時々、村の若者が馬上でスマホを使いながら走っているのを見かけることがありますが、彼らは小さい頃から乗り慣れているから。同じようにやると危険です。
マニュアルを読んだらあとは実践

乗馬は頭で学ぶより、実際に馬の上で体で覚えるものがほとんど。
私自身、今回ガイドやインストラクターから聞いたことや、自分が失敗したことをまとめましたが、上手に乗れるかというとまだまだです…。
それでも予備知識があるかないかで、安全性も楽しさも大きく変わります。
天山山脈の麓で馬と息を合わせて天翔るように進んでいく瞬間は、何にも代えがたい特別な時間です。ぜひ注意点を頭に入れたうえで、思いきり楽しんでください!
📸 最新情報やご相談はInstagramやLINEで 📩
▶︎ Instagramはこちら → @ashutravel_jp
▶︎ 公式LINEで質問する → LINE登録はこちら
sugiura
アウトドア好きのマーケター。ユニークな体験を求めて国内外をさまよい、モンゴルをきっかけにキルギスにハマる。キルギス人は日本が好きなのに、日本が知らないのはもったいないと感じ、キルギスを知ってもらう活動のためにキルギス在住へ。ロシア語勉強中。
