キルギスの春分の日は新年?!ビシュケク在住スタッフが伝えるノウルーズの意味や楽しみ方

サラマトスズブ!中央アジア絶景乗馬旅アシュトラベルのSugiです。
本日3月20日、ビシュケクの街がいつもと少し違います。
カフェに行こうとしたら満席で入れられず、いつも賑やかな道路は車が少なくて。ロシア語の先生も「今日は実家のイシククルに帰るの」と嬉しそうに話していました。
明日3月21日は、キルギスの「Nooruz(ノウルーズ)」。春分の日に祝う、中央アジアのお正月です。
今回は在住スタッフ目線で、ノウルーズの文化と風習、そして旅行者にも知っておいてほしいことをお伝えします。
ノウルーズとは?春分の日に祝うキルギスの新年

ノウルーズとは、春分の日に祝う新年のお祭りです。
もともとは古代ペルシャ発祥の祝日で、ゾロアスター教では春分の日を神聖な日として大切にしてきたとか。
「ノウルーズ」はペルシャ語で「新しい日」の意味。冬の終わりと春の始まりを祝い、新しい年の幸運を願います。
現在はキルギスをはじめ、カザフスタン、ウズベキスタン、イラン、アフガニスタンなど、ユーラシア全域の国々で広く祝われています。
日程は国によって違いますが、キルギスでは3月21日が公休日です。
ロシア語の先生曰く「こっちが本当の新年」

1月1日ももちろん新年として祝いますが、私のロシア語の先生は「ノウルーズの方が伝統的な本当の新年」と話してくれました。グレゴリオ暦の新年よりも、春の訪れとともに迎えるこちらの方が、キルギスの人たちの間に深く根付いている様子。
これを聞いて、モンゴルのツァガーンサル(旧正月)に似ているなと感じました。モンゴルでも、1月1日よりも旧暦の正月の方が「本当の新年」として大切にされています。
モンゴルのツァガーンサルについては、こちらの記事もあわせてどうぞ。
(↑パートナー会社ツォクトモンゴル乗馬ツアーのHP)
ノウルーズ前夜の風習

ノウルーズは当日だけでなく、前夜から始まります。
家を整え、心も整える
前夜には家の大掃除をして、新しい年を清潔な状態で迎える準備をします。また、借金を返済したり、過去に傷つけてしまった人に許しを請うたりする習慣もあるそう。
新しい年を、心のしがらみなくスタートしようという考えは日本の新年に似ていますね。
春の恵みを迎える準備
前夜には水・ミルク・穀物を入れた容器を用意。雨が降り、豊かな収穫が訪れるようにという願いを込めた風習です。
ノウルーズの食べ物スモロクとは?
ノウルーズに欠かせない食べ物が「スモロク」。
何時間もかけて作る特別な一品
スモロクは、発芽させた小麦草を何時間、場合によっては丸一日以上かけて煮込んで作ります。小麦粉や油を加えることもあるそう。大きな鍋で煮込む際には、穀物が焦げないよう小石を入れるのが伝統的な作り方。
石が入っていたら願いが叶う
小石にまつわる言い伝えがあります。自分のカップに石が入っていたら、願いごとをすると叶うとか。
フランスで新年に食べるガレット・デ・ロワみたいですね。
女性たちが歌いながら作る
スモロクは長時間かかるため、女性たちが集まって歌いながら作るのが習慣だとか。料理にポジティブなエネルギーを込めるため、という意味もあるそう。
キルギスの人たちは刺繍を作るときも歌っていることがあり、やっぱり陽気なエネルギーで溢れる人たちです。
ノウルーズ当日の過ごし方

音楽と踊りで春を迎える
ノウルーズの朝は音楽とともにスタート。カルナイというトランペットに似た長い角笛の音が響き、各地でお祭りや民族舞踊が行われます。
ノマドゲームが見どころ
ノウルーズといえば、乗馬ゲームも欠かせません。ビシュケクのヒポドローム(競馬場)をはじめ、各地で馬術競技が開催されます。アーチェリーや「エル・エニシュ」という騎馬相撲、そしてキルギスの伝統スポーツ「コクボル」のチャンピオンシップも行われます。
コクボルは、Netflixでも紹介されたちょっと変わった伝統スポーツ。一言でいうと「やぎの◯◯を奪い合う騎馬ラグビー」。よかったら詳しく書いているので見てみてください↓
3月21日生まれの子どもたちには…
ノウルーズに生まれた男の子には「ノウルーズベク」や「ノウルーズバイ」、女の子には「ノウルーズグル」という名前をつける習慣があります。また、ノウルーズの日に雪が降ると縁起がいいとされており、女の子の美しさに例えられるそう。
イベントに参加する
ビシュケク市内では毎年ノウルーズに合わせて各地区でイベントが開催されます。ユルタの展示や伝統料理、スポーツ競技など、キルギスの文化を気軽に体験できる絶好のチャンス。
2026年ビシュケクのノウルーズイベント情報

スヴェルドロフスキー地区|カラガチェワヤ・ロシャ
12時〜16時。ユルタの展示、民族の風習・生活文化の紹介、コンサート、スポーツ競技、民芸品のワークショップ、伝統料理のフェアが楽しめます。
オクチャブルスキー地区|インティマク2公園
コンサートのほか、チェス・綱引き・トグズコルゴール・ダーツ・サッカー・バレーボールなどの民族スポーツや国民的ゲームが楽しめます。ワークショップや展示も。子どもから大人まで楽しめるイベント。
レニンスキー地区|アルチャ・ベシク地区
14時スタート。コンサート、民族の伝統披露、ユルタのエスノタウン、テーマ展示、ワークショップ。アク・オルゴ地区のアシャル公園では15時から、ユルタ・エスノスタイルのビュッフェ・スポーツゲームが楽しめます。
ペルヴォマイスキー地区|アク・ボソゴ地区
ユルタ、民族ゲーム、風習の実演、コンサート。伝統料理のふるまいもあります。
ビシュケク市内を観光中であれば、どの地区のイベントも気軽に立ち寄れます。ユルタの中に入ったり、伝統料理を味わったり、普段の観光では出会えないキルギスの文化を肌で感じるチャンス。
参考:ニュースサイト24.kg
在住スタッフが見たノウルーズ前日のビシュケクの様子

今年のノウルーズは3月21日。そのため、前日の3月20日から街の雰囲気が変わり始めました。
学校はお休み、お店は?
3月20日は学校が休みになりました。歯医者などの個人経営のお店は閉まっているところが多く、スーパーは通常通り営業していました。旅行中に急な用事が入っても、スーパーは開いているので安心です。
カフェは満席、車は少ない
いつも混んでいる道路が、今日は不思議なくらい空いています。その代わり、カフェに行こうとしたら満席で入れませんでした。みんな家族や友人と食事を楽しんだり、郊外へ出かけたりしている様子です。
バス停もいつもより人が少なくがらんとしていました。
今年はラマダン明けと重なった
2026年のノウルーズは、イスラム教のラマダン(断食月)が明けるタイミングと重なりました。断食が終わった解放感とノウルーズのお祝いムードが重なって、レストランはいつも以上に賑やか。
私のロシア語の先生も、実家のイシククルに帰ると話していました。キルギスの人たちにとって、特別な日が重なった年ですね。
ノウルーズの時期にキルギスを旅するなら

お店の休業に注意
ノウルーズ当日は個人経営のお店や医療機関が休業することがあります。スーパーや大型店は営業していることが多いですが、旅行中に必要なものは事前に準備しておくと安心です。
お祭りの雰囲気を楽しむチャンス
ノウルーズの時期にキルギスを訪れると、普段とは違うキルギスの表情を見られるかもしれません。地方での馬術競技や民族舞踊など、キルギスの文化が凝縮されたお祭りに出会えるのはこの時期だけ。
テラス席のある人気のカフェやレストランは混雑
ノウルーズ前後はカフェや飲食店が混雑。特にラマダン明けと重なる年は、街全体がお祝いムードで賑やか。時間に余裕を持って行動しましょう。
ノウルーズに関するQ&A

Q:ノウルーズはキルギスだけのお祭りですか?
A:いいえ。中央アジアや中東など、ユーラシア全域の国々で広く祝われています。イラン、カザフスタン、ウズベキスタン、アフガニスタンなどでも国民的なお祝いの日です。
Q:ノウルーズの時期にキルギスを旅行しても大丈夫ですか?
A:もちろんです。ただし、個人経営のお店や医療機関が休業することがあります。必要なものは事前に準備しておくと安心です。
Q:スモロクはどこで食べられますか?
A:ノウルーズの時期には家庭で作られることが多く、レストランで提供されることは少ないです。現地の家庭に招かれた際にぜひ味わってみてください。【要確認:レストランで提供されることはありますか?】
キルギスの春を、一緒に感じませんか

ノウルーズは、キルギスの人たちが冬を越えて春の訪れを喜ぶお祭り。
馬術競技の迫力、女性たちが歌いながら作るスモロク、街中に響くカルナイの音。この時期にキルギスを旅すると、ガイドブックには載っていないキルギスの姿に出会えます。
アシュトラベルでは、キルギスの文化や自然を肌で感じられる乗馬ツアーをご案内。地元の人と一緒にフェルトや伝統パンボルソックを作ったり、遊牧民と交流したり…
例えばソンクル湖のツアーでは、ソンクルに行く途中にフェルト体験をします。
チョンケミンのツアーではボルソック作りを体験。
ビシュケクやジェティオグズのツアーでは遊牧民と交流。
地元の人と交流を通した文化体験は、一期一会の特別なひととき。有名な観光地を訪れるだけでは味わえない魅力があります。観光以上の旅をするならアシュトラベルへ。
sugiura
アウトドア好きのマーケター。ユニークな体験を求めて国内外をさまよい、モンゴルをきっかけにキルギスにハマる。キルギス人は日本が好きなのに、日本が知らないのはもったいないと感じ、キルギスを知ってもらう活動のためにキルギス在住へ。ロシア語勉強中。
